オギェッセイ#11 どっちへ行っても友達が無くなる道
2022-08-01
二丁目からのフェードアウト期間中、界隈外で付き合いがある人達とのコミュニティを広げて居た時、
数年じんわり知り合っていた人と遊んだり飲んだりする機会が増え、色恋の絡まない関係性を謳歌しはじめて居た。
ある日、友人の市川(仮名)と後楽園遊園地(現在の東京ドームシティ)で遊ぶ約束をすると、彼氏も連れてくるとの事で人は多い方が楽しいので歓迎した。
何度目かの遊びの時、市川の彼氏が、
「二丁目近くのハッテン場で働いているから、今度遊びおいで。安くしてあげるから。」
と言われたので、酔って朝まで持たない夜などにタダで入れて貰って居た。(持つべきものはコネクション!!)
営業時間が昼迄の所だったので、正午前に一度お客の追い出しが行われる店で、
何度目かに行った時、閉店の音で目を覚ましてまどろんでいると、
入り口の方で清掃を終えた市川の彼が、入り口の施錠をする音が聞こえ、
そのまま、自分以外誰もいない店内を真っ直ぐこちらへ向かって来て、押さえ付けられた。
瞬時に、こいつもか。と思った。
自分の振る舞いが悪いのかな?とも思った。
市川が今度一緒に住むって言ってたな。
友達がまた一人消えたとも思った。
全力で抵抗すれば振りほどけただろう。
どちらに行っても市川とはもう友達としては会えないな。
本当にいろんな事がどうでも良くなった。
若い頃に二丁目に出て、人からお誘いを多く頂く二丁目キッズの行く道は、大きく2つに別れる。
自分の思い描いてた理想と世間とのギャップに目をつむり、町全体に流れる予定調和な空気感に合わせ、
「よくある事じゃない」
という言葉に自分を納得させ、消費されることに鈍感に生きていくか、「この町は自分に合わなかった」という結論をつけて離れるか。
よくある事じゃないも限界に達したので、自分が選んだ先は、人から好かれない人間になる。だった。
当時の知人達は、
「あの頃は本当に感じ悪かった」
と言われていたので、一応態をなしてたんだと思う。
もっと素直になればいいじゃない。
斜に構えてなければ可愛いのに。
笑ってる方が絶対良いよ。
そんな事ばかり言われた。
なんの疑問も持たずに他人を可愛い・可愛くないのテーブルに人を勝手に乗せて品評会をする人たちはいくらでもいる。
世間的にはそうだよ。みたいなしたり顔で言ってくるけど、ただの個人の願望を押し付けないで欲しかった。
そんな事を相手に言うのは、
「君は、今の君じゃなければ僕が可愛いと思う人間に当てはまるよ」
と言っている事だと思った方が良い。そういう事言うヤツ、大体選択肢がない側の人間だと思う。
大体ここまでで前編終了。
いやぁ、しかし犯罪者のオンパレードだな。