オギェッセイ#04 早く一人で生活したかった
2022-05-30
色々あって最終学歴が中学校卒業だったりする。
高校進学の時、服飾系のデザインに進みたくて、高校卒業資格と同時に服飾系の資格も取れるという私立の専修学校に進学した。
その頃無知だった自分も悪いが、明言を避ける形で担任が引き止めて来た理由は、入学してから分かった。
私立にも色々種類があると思うが、いわゆる学業が遅れているタイプの人を金で受け入れるタイプの学校だったのだ。
算数と英語がKUM○Nで、しかも乗算や単語のAppleからだったもんだから流石に笑った。
当然、2学期目が始まるくらいに退学した。和裁と洋裁と簿記の履歴書にかけないような等級の資格だけ頂いた。あとワープロ検定。
普通科高校を経て専門学校に入ろうと思い入り直したが、2年生になった時には、
グラフィックデザイナーをしてた最初の彼氏である山田に影響を受け、「自分もグラフィックデザインで食っていく!」と思い立ち、思い立った翌日学校を辞めた。
学校の帰りに車で送り迎えをしてもらっていた母親の車で、「学校辞めて東京行きたいんだけど」と言ったら2つ返事で『おっけ~』と言ってくれた。軽い母である。
特に理由も聞かずに母親は、
『今夜中に荷物まとめて明日千葉の(母方の)親戚の家に行ったらいいんじゃない?学校の連絡と荷物は片付けておいてあげるし、お父さん達には黙っておくから』
母親と、父親ないし同居していた父方の祖父母とは大きな溝があった。
物心ついた頃には寝室が別だったし、家での会話もほとんどなかった。
父に言ったら絶対に止められるのも目に見えていたので、唯一の味方だった。
初めて家に来たノートパソコンはそのまま持たせてくれた。
リュック一つに収まる荷物とノートパソコンを持って、夜逃げならぬ昼逃げという形で一歩東京へ近づくのである。
18歳の冬。
程なくして父は「結婚したい人がいる」と母に迫り、両親は離婚した。
悲しさなどはまったくなく、まぁそりゃね。みたいな感じだった。
それくらい、自分の実家には夫婦愛というものが存在していなかった。
昔は好きで結婚して子供産んだんだろうけど。