ふさぎガチ

オギェッセイ#02 狂った街じゃなかった東京

2022-05-30

今思えば、最初に出会った東京の人達に恵まれていたのだと思う。

当時、インターネットで人と会うという行為は博打に近かった。
ネットを使ってる人の割合が、どっちかってーとコアでマニアな人が多く、コミュニケーションをうまく取れない人が多かっただろうと思う。
初めて合う彼らは、ぎこちない態度など全然なく、子供にかがんで話すように接してくれた。
8つ前後歳が離れていたので当然といえば当然か。

多感な若い人が好む、渋谷~原宿~新宿や吉祥寺を散策したり、初めてのゲイバーや初めてのゲイクラブに連れて行って貰った。
昼間から歩き回っていた疲れもあって、クラブで眠気が襲ってきて、山田の膝枕で寝かせて貰った。
イベントが終わって、日曜の朝の帰りのバスまでの時間、山田が付き合ってくれた。
東京にいる間は山田の家に泊めて貰っていた。
もう普通にこの時点で山田を好きになっていたので、帰りのバスで色々な感情がこみ上げていた。

バスの景色が都会から高速道路になり、高速道路から自分の住んでる、つまらない冬の田んぼの風景になった時に「あ~~~付き合ってもらいて~~~」と思ったのを覚えている。
帰った後にネットで3人にお礼を言い、山田には付き合って欲しいという旨を伝えた。
そして、東京の山田と福島のオギの遠距離恋愛が始まった。
山田が初めての事実上の彼氏であり、付き合って初めて会ったのはクリスマスで、その日が人生で始めてセックスをした相手になった。
ね。恵まれてるでしょ。

その上京の最後の滞在日の夜、ベッドに二人で潜り込んだ後、
「寝て起きたらすぐに帰る時間になっちゃうから、今日は朝まで起きてようか」と言われ、その間お互いの身の上話をずっとしていた。
全然眠くならなかった。

その後にあった嬉しかった事や楽しかった事は色々あったけど、ダラダラしてしまうし、なんか安っぽく伝わりそうなので割愛。
ありがちと言っては人を巻き込むのでよくないけど、自分がもっと色んな人と経験してみたい。といった理由を伝えて別れて貰った。
すごいどうしようもない理由。ウケる。その節は本当にすみませんでした山田。

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