血縁は法的に切れない他人
2021-05-31
母は3度結婚をしている。
一人目が産みの父で、
二人目は、酒癖悪いので酒を断った水道管なんかを家を建てる時になんかやってる人、
三人目は、マニアが好きなビンテージ車のメンテ会社を経営してる人(ちなみにまだ会ったことがない)。
最近、自分の戸籍周りの手続きが必要だったり、
ドラマ「生きるとか死ぬとか父親とか」を見ていたりして、
ふと産みの父親の事を考える事があり、
「なぜ別れるに至ったか」に思いを馳せたりしている。
離婚の話し合いをしたというのは母から聞いたが、理由までは今まで聞いてない。
言ってこないから、聞いてないだけなんだけど、昔からの性格で、言って来ない事はそんなに詮索しないようにしている。
物心付いた頃には親の寝室は別だった。
家族で集まって食事をするというのも、おそらく自分が12歳あたりくらいまでで、それ以降食卓を囲んだ事はないし、父を含めて外に出かけるといった記憶もない。
仕事が終われば家に帰ってくるが、自分の部屋で酒を飲み、一人で酔いつぶれては寝て、朝早く長距離トラックの運転手の仕事に出かける。
「前は教習所の講師だったんだよ」
といつか母は言ってたが、
「手取り17万でどうやってやっていくのよ」
と言い合いになってた記憶もある。
きっと離婚の原因の一つでもあるんだろう。
酩酊しても誰に迷惑かけるわけでもなく、ただ自分の部屋で毎日が自己完結してる人だった。
今考えれば多分コミュ能力低かったんだろうな。そういう所が母の面倒見みたいな琴線に触れたんだろうけど。
原因は何だったか忘れたけど、酔った父と母が喧嘩になって母が指を怪我をした。
後にも先にも父が手を上げたのはその一回だった気がする。
それが思ったよりもショックで、軽蔑するというよりも、”家にいる他人”のようになっていた。
その頃、月に1-2回東京に遊びに来ていて、少しずつコミュニティも出来てたし、自分で働いて自分のお金で生活したいな。と思っていた時期で、ある日の学校帰り、迎えの母の車でその旨を伝え、母の独断で学校を辞める事が決め、2日後には荷物を持って千葉の親戚の家に身を移していた。
その後の処理の細かいことは知らないが、家から自分が居なくなった後に母から父に学校を辞めたこと、家を出たことが伝えられ、学校へは本人不在で退学届けが出された。(ありがとうマム)
その後の細かい家族間の空気とか、話とかはまったく聞いてないのでわからないが、程なくして離婚をしたことを母から聞いた。
自分の自立もきっかけになったのかな。と思ったが、どちらも幸せそうには見えない結婚生活だったし、罪悪感は微塵も感じなかった。
意外にも離婚を突きつけてきたのは父だったそうだ。
「一緒に居たい人が出来たから」
と離婚の話し合いの時、別の女の話を切り出したらしい。
その時父方の親は、家族の借金を母に押し付けたそうだ。
5年前に父が死んだ。
自分は「そっか。死んだんだ」くらいの感想しかわかなかったが、
「母は一応元妻だから」と葬式に出たらしく、
その時聞いた話では再婚するわけでもなく、独り、父方の母の所に住んでおり、別れた後に妹が父に当てた心配と感謝の手紙が、画鋲で壁に留められていたそうだ。
一時本当に相手が居て見限られたのか、虚勢だったのかはわからない。
この後、「絶対に遺産を渡したくない義母 vs 絶対に少しでも金が欲しい卑しい兄」というサイドストーリーもあるのだが、それは別の機会に。
収入が減って親が共働しですれ違い、子供が3人いるがお金に余裕もなく借金もある。
先が見えない不安に、改善する気がない父。
それでも父の肩を持つ義理の父母。
子供は自立したし役目は終えた。人生リセット。
そんな所だろうな。
ドラマ「生きるとか死ぬとか父親とか」から一節。
〝好き〟っていう気持ちをなんかこう、ピュアな感情として優先しようとすると、
見失うことって多いと思うのね。